漢方薬の得意分野と漢方専門医

近年、西洋医学を用いる医療機関でも、漢方薬を治療に取り入れるところが多くなってきています。現代医学では効果がなかった難病が、漢方医学で改善するという例が実際にあるからです。しかし漢方薬は万能薬ではありません。それは西洋薬と同様です。現代医学が効果をあげている領域、たとえば癌治療など、もありますし、漢方医学が得意とする分野もあります。漢方薬が比較的効果をあげている領域は、以下の通りです。

●片頭痛、肩こりなどの習慣的疾患
●花粉症などの季節的疾患
●月経痛などの周期的疾患
●虚弱体質や冷え性などの流行性疾患

漢方専門医
西洋医学による治療を行っている大学病院や公立の病院でも漢方薬による治療を併用して取り入れているところはありますが、本格的に漢方治療を受けたい場合には、やはり漢方の専門医にかかるほうがよいでしょう。
漢方専門医というのは、医師免許をとったうえでさらに漢方の勉強もした人たちのことをさします。ただし現在の日本では、漢方医、あるいは漢方科といった名称を掲げることは法律で認められていません。したがって、漢方医学を専門的に扱う機関や医師を求める場合には、漢方薬のメーカーや医師団体に問い合わせてみてはいかがでしょう。また、口伝でそのような医師、あるいは医療機関を探す人も多いようです。
漢方薬は、現代薬と比較して副作用が軽いとはいえますが、素人判断で用いるのは好ましくありません。市販の漢方薬を用いる際にも、自己判断に頼るべきではないでしょう。

鼻アレルギー

鼻アレルギーの症状には、くしゃみや鼻づまり、鼻水があります。その他、涙がとまらなくなる、顔や鼻がむずむずする、目がかゆい、といった症状がでることもあります。なかでも毎年、春先になると多くの人が苦しめられる花粉症です。花粉症は鼻アレルギーのなかでも、ある一定時期になると発病することから「季節性」と呼ばれるものです。一方、室内のちりやペットの毛、家ダニなどが原因で起こる鼻アレルギーは、「通年性」といわれます。

鼻アレルギーに広く用いられるのが、「ショウセイリユウトウ」です。体力が中程度ある人に主に処方され、鼻水や鼻づまりに効果があります。しかし、この薬を用いると、胃腸障害を起こすという場合は、「リョウカンキョウミシンゲニントウ」が用いられます。この薬は、冷えにも効果があります。

目や顔のかゆみがある場合には、「エッピカジュツトウ」「ビャッコカニンイントウ」が用いられます。体力がある、実証のタイプ向きです。虚証の人に用いる場合は、量を減らすなどの工夫をします。

花粉症の初期に、体力のある実証の人に用いられるのは、「マキョウカンセキトウ」です。

ただし、漢方薬は、西洋薬と異なり、病名や症状だけから適切な処方を選択することは出来ません。病気の人それぞれの「証」といって、体質、体力、抵抗力、病気の進行具合などを総合的な判断して用いる漢方薬を決定するのです。証の判断は、漢方医学の専門家にゆだねるのが理想的です。ここで示した漢方薬は、あくまでもおおよその目安と考えてください。

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